ネット世論はどこに行く

かれこれこのシリーズも5本目になりました。そろそろ内容がそこそこヤバい事が身内にばれてきています。でも僕は負けずに突き抜けていきます。

 さて、前回までは過去の話でした。今回からは今の話です。テーマは前の通り『ネット世論』です。

 ネット世論とは言葉の通りインターネット上で掲載される世論のことであり、そのメイン層は10代~30代の若年青年層です。特に20代より下はデジタルネイティブの世代であり、インターネットの影響を大きく受けて育っている世代です。今回は従来語られてきた世論との対比で話を進めていきたいので、従来の世論を『オールド世論』ネット世論を『ニュー世論』と定義します。

——まずは時事を見てみる

 少し振り返ってみましょう。大体2年前です。日本の反対にあるビッグな国で大統領選挙がありました。そこで金持ちのおっさんが好き放題言いまくっていたら、何故か大統領になりました。どういうこっちゃ分からないかもしれませんが、みんな当時はそうでした。最初は面白芸人枠みたいな感じで扱っていたら、意外に勝っちゃうもんだから皆焦りだして、必死に世論が傾かないようにしました。そして実際、『オールド世論』は彼が勝つはずが無いという風潮になりました。

 しかし、結果は見ての通りです。彼は勝ちました。正しく言うと勝負に負けて試合には勝ちました。対戦相手は大統領の夫がいるおばさんです。彼女は勝利の最前線にずっと立ちながら結局辿り着けなかったのです。しかし、彼女は負けたとはいえそれなりの基盤は維持していますし、票数でも支持が全くなかったわけではありません。運が良ければいつか勝つでしょう。でも実は彼女以上に大きな敗北をした人達がいます。それが新聞やテレビなどのオールドメディアです。

 先程言った通りこの時の流れは完全におばさん側でした。それは日米共通です。ただ現実は違いました。この一件は非常に重大な事案です。何故ならこれまで通用したやり口が全く効かなかったからです。

 基本的にマスコミは世論をコントロールできます。それは大衆が知りえる情報を一括で管理し、それを適切に公使することで大衆の意見の形成を後押ししているからです。よく言われるオールドメディアは一方向的なメディアと言われるのはこれです。

 しかし、今回はそうはいきませんでした。突き詰めていっちゃえば、人の中に眠る超人的な意思が他者の介入を超えたのです。逆に言えばメディアの影響力が低下しているともいえます。従来のメディアパターンでは測れない何かが大衆の意見形成に関わっているとここから考察できます。

——ネット世論っていつ生まれたの?

 実はよく分かっていません。ただ、インターネット上での交流が生まれた頃から発生しているとは思います。そしてYahoo!が生まれ、2チャンネルが生まれ、動画サイトが生まれ、SNSが生まれる過程でネット世論は進化・発展しています。

 個人の意見の集合値が世論です。ですが、これまでは新聞テレビなどのマス・メディアの抽出した人達の意見のみが明るみに出ていました。昭和の時代、20世紀の時代はそれでもよかったです。何故なら人が社会を知るにはマス・メディアしかなかったからです。しかし、現代は違います。情報源が多様化し、どこからでも情報を手に入れられるようになりました。

 この時様々な人間が様々な意見を言います。ある人は「ネットのニュースは信憑性に欠く」と言いますし、ある人は「テレビ新聞は偏向報道の宝庫だ」とも言います。ウヨクサヨクで論争(という名の主張のし合い)が起き、SNS上で火だるま戦法が炸裂するなど、様々な事が短期間に沢山起きています。

——ネット世論はどうなる?

 さて、ではネット世論はどうなっていくのでしょうか。基本的に今の有識者の議論は「今」という一点に絞られています。マス・メディアとネットの信用度調査とかフェイクニュースとか思想の偏りとか。まあ今のネット世論に関する有識者はオールドメディア出のフリージャーナリストが多く、自身の視点がどうしてもそちらに向いてしまうので仕方がないです。記者やジャーナリストの中にもオールドメディアから抜けて別のプラットフォームで新しいメディアを探求している人もいます。謎のニュースサイト増えたでしょ。そういうのです。

 話を戻します。現在のネット世論を端的に表すなら『万人の万人に対する闘争』状態です。あらゆる人間が好き放題に行動して、その行動がぶつかることがあれば躊躇なく攻撃していく状態です。開幕世紀末です。闘争と言えば聞こえが悪いですが、これは自身の主義主張をオープンにしやすい環境になっている事であり、言わば『発信の民主化』がなされているとも言えます。そして、この闘争の中でその事実に辿り着いた人達が新しいメディアプラットホームを作り上げていきます。そこでは従来のジャーナリズムはほとんど死に絶えているかもしれません。

 現在のSNSの流れがクローズド化している、という論調の記事を読みました。10代を中心にこの自然状態で生きる事を諦めた人が増えてきているそうです。ですが、闘争は続きますし、そもそもクローズドの状況に行くことは、これまでのメディアと世論の空間に帰るだけです、つまりは一方的な攻撃を受ける側になります。

 現在の状態を一つ『言論革命・世論革命』とでも名付けましょうか。これは新たな新秩序の構築の第一歩です。情報発信のヒエラルキーは崩れ、新たな状況下でのメディア体制になっていくでしょう。これを読んでいる人たち、またSNSで日々発信する人達は歴史の観測者、もしくは歴史の当時者になるかもしれません。

最新記事